恋愛禁止ダンジョン、攻略中。




「それより、俺たちもミッションをしたほうがいい」

「そ、そうだね!」




えーっと、相手の“好きなもの”だよね? 食べ物?音楽?マンガ?……え、全然わからない!!


だって、数日前まで挨拶もろくに交わしてなかったのに。
ゲームのペアになっただけで、急に距離が近くなるなんて……なんか、ふしぎな感覚。





「ねぇ、霧島くんって……たとえばだけど、好きな食べ物とかある?」

「……突然だね。」

「だってヒント欲しいじゃん!予想、当てなきゃだし!」





霧島くんは少しだけ考えてから、あっさりと言った。






「甘いのとか、好き。」

「……まさかのスイーツ男子!?」

「別に……おかしくないでしょ。」





ピピッ。
スマホから電子音みたいなものが鳴った。


なんだろう、とスマホをのぞくと。


《ときめき度+3%》





「ッッ……う、うそでしょ!?たった今、上がったんだけど!?!?」

「なにが?」

「なんでもない!気にしないで!!」




くそー!!“ギャップ萌え”に反応してるとか、思考がバグってる!脳みそが恋愛仕様になってる!バカか!


恋愛禁止なのに、“相手を知ろうとする=ちょっとドキドキ”って、もはや罠では???