ペナルティ者の胸元が、ピンク色の光をまとってふわっと光り、全員の視線を集めた。
見慣れた制服に、不自然なくらい目立つどピンクの缶バッジ。
ハートのど真ん中に×マークがついてて、下にはでかでかと【禁恋中】の文字。
「あれが……恋愛禁止バッジ……!」
どこからどう現れたのか、システムがわからない。
でもそんなこと気にならないくらい、”あれ“をつけることが恥ずかしい。
ペナルティ者のスマホから、音声が流れた。
『ときめき度が50%以下になるまで、恋愛禁止バッジをつけてね♡
毎日つけて、しっかり反省してねっ☆』
『あと、禁恋日誌も忘れずに♡ “どの瞬間にキュンとしたか”を細かく記録して、アプリに提出してね〜♪』
な、なにそのペナルティ! 恥ずかしすぎる……!
「俺たちも、気をつけたほうがいいかもね。」
霧島くんがふと、りんに向かって言った。
「え……なんで?」
「星川さん、昨日の“いいところ3つ”の時、すっごく顔赤かったから。」
「そ、それは!ちがっ、緊張しただけ!!」
「でも、ドキドキしてたよね。」
「してない!してないってば!!」
……してたけど。……めちゃくちゃ、してたけど!!
そうやって改めて口に出されると、たまったもんじゃない。


