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次の日の昼休み。
教室中に、またもピロン、と通知音が鳴り響く。
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『ミッション③:ペアの相手の“好きなもの”を予想して、当ててね♡
※タイムリミットは今日中。回答は各自のスマホから入力。正誤はAIが判定します』
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「うわ……今回は“エスパー力”が試される系!?」
「絶対ムズいやつじゃん……」
りんはスマホを握りしめて、隣の霧島くんの顔を見た。
霧島くんの好きなもの……食べ物?音楽?色?ジャンル広すぎでしょ……!
だけど、そのとき、
別のクラスから悲鳴のような声が聞こえた。
「……え、うそ……通知来た……!」
隣のクラスのドアが開き、ざわざわと騒ぎが広がっていく。
なに?なんか変な空気……。
声の主の手には、画面いっぱいに真っ赤なハートマークと名前が表示されていた。
「ちょっと待って、これ……ペナルティじゃない!?」
教室のスマホ画面に、新たな通知が浮かび上がった。
《古川大輝さん、ペナルティ♡》
理由:ときめき度オーバー(現在52%)
対象ペア:立花ひなさん
ペナルティ:恋愛禁止バッジ装着/禁恋日誌提出
「っっ……!」
りんはごくりと息をのんだ。
通知で、ペナルティ者の名前が!?
さらに連続で、数組のペアの名前が表示されていく。
•2年1組 鈴本&佐藤
•2年2組 千野&日比野
「やば……結構いるじゃん……!」
「本当に恋してたってこと?それとも、ちょっと“ときめき度”が高かっただけで……?」
ペナルティ者のときめき度の数字を見てみると、すべて50%を超えている。
ということは。
ときめき度が50%を超えたら、ペナルティ……!
つまり、“恋に落ちる前に止めろ”ってこと!?


