「このときめき度が、何%になったらペナルティかもわからないからな……」
「たしかに……」
「でも極力増えないように、俺たちでコントロールしよう」
「う、うん! でも、どうやって?」
「たとえば……ドキッとしたときに、心の中で冷静にツッコミを入れるとか。恋愛じゃないって言い聞かせるとか」
「むずかしそう……」
でも、恋愛経験ゼロな自分だからこそ、逆に”鈍感“でいられるのかもしれない。
だって、どの感情が”恋“に当てはまるかなんて、正直まだよくわからないから。
たぶん”今“は、あまりにイレギュラーな状況すぎて、心がちょっと、びっくりしてるだけ。……きっと、そう。
「霧島くん! わたしのことキュンキュンさせないようにして! 謎がいっぱいあるし、不安だけど、淡々とミッションをこなそう! 一緒にがんばろう!」
「……うん」
ほんの少しだけ、不服そうに眉をひそめた霧島くんには気づかずに。
りんはぎゅっと拳を握りしめ、決意を固めた。
*


