私が普通の道路を走らせていたら、電信柱の隅に花束が置かれていた。もしかしたら誰かが交通事故で亡くなったのかもしれない。
 近くの道路の隅に車を停めて、車の扉を開けてその花束に向かって手を合わせた。

「あの、すみません」

 突然声をかけられて振り向くと、そこには黒いワンピースを纏った女の人が立っていた。どうやら彼女もお見舞いに来たらしい。

「私が一番知っている人でした。本当に残念です」

 そう言って女の人は目から涙を流し啜り泣きをする。その様子を見て、こちらも心が抉れてしまう。よほど仲が良かったのだろう。背中をさすることしかできない。

「大丈夫。彼女も天国へ行きますから」

 そう言って励ますと、彼女も手を合わせてその場から足音を立てて離れていく。