推しに告白(嘘)されまして。





「俺のせい…だよね、ごめん」



そして痛々しげに私を見た。

その仕草にドクンッと心臓が跳ねる。
悠里くんは私の推しだ。
例え別れてしまったとしても、どうしても体が反応してしまう。抗えない。



「ち、違うよ。悠里くんのせいじゃないよ?私も悪いから…」



頬に熱を感じながらも、私は慌てて悠里くんの言葉を否定する。
ぶんぶんと一生懸命両手を自分の前で左右に振っていた、その時。

フラッと突然、私の足から力が抜けた。

…こける!

そう思ったのだが、私がこけることはなかった。
私の側にいた悠里くんが咄嗟に手を伸ばし、私の腰を抱き寄せてくれたからだ。



「大丈夫?」



憎らしいと感じていたキラキラとした朝日を浴びて、こちらを心配そうに伺う悠里くんが、眩しくて眩しい仕方がない。
悠里くんが浴びるものなら、その憎らしさが消えていく。

…王子様すぎんか。

自然溢れるここで流れるように私を助けてくれた悠里くんが、あまりにも〝完璧な王子様〟すぎて、私は息を呑んだ。