推しに告白(嘘)されまして。





リリリリリリリー!と私のスマホからアラームがなる。
どうやら起きなければならない時間がきてしまったようだ。
体が重い。まだここにいたいと体が訴えている。

今日は合宿最終日。
朝は全員で施設周辺の山を散歩することになっている。
眠れなかったせいで、全く体の疲れが取れていないが、この後のこともあり、私は仕方なく体を起こした。

あんなことがあっても時間は進む。
昨日には戻れない。
どんなに寝ていなくても、朝はやって来る。

私と同じように起き始めた生徒たちを尻目に、私はいつものように顔を洗い、身支度を始めた。
そしてそれを終えると、同じ部屋でまだ眠っていた生徒たちを起こして回った。
その中には「んー。まだ寝る…」と可愛らしく抵抗している雪乃もいたのだった。



*****



こんなにも眩しい朝日を憎いと思ったことは、生まれてこの方、一度もなかった。
寝不足の体に容赦なく降り注ぐ朝日が、私の回復しきれていないHPを真っ赤に染めていく。

もうやめてくれ、今にも倒れそうだ。

そう思いながらも、私は施設の外、朝散歩の集合場所へと一歩、また一歩と着実に足を進めていた。
ちなみに私の隣に雪乃はいない。
今日もいい感じになっている同じ施設にいた他校のイケメンと絶賛交流中だ。

やっとの思いで集合場所へと辿り着くと、どこからか明るい声が私を呼んだ。