「しっかりしているのに、抜けているところも可愛くて好き」
へへ、可愛いだなんて、嬉しいな。
抜けている自覚はないけど、推しがそう言うのならきっとそうだ。
「実は表情豊かで、いろいろな顔を見せてくれるところも好き」
そ、そうかなぁ。そうなのかなぁ…。
「笑顔も、真面目な顔も、泣きそうな顔も、全部好き。見た目も小さくて、可愛い。小さいのに頑張ってて…」
「…」
続く推しからの有り難い言葉に、どんどん体温が上昇していく。
恥ずかしくて仕方がない。
「あと…」
「ス、ストップ!も、もういいです!限界です!」
まだまだ何か出てきそうな悠里くんに流石に心臓が破裂しそうになり、私は声を上げた。
まさか、好きだと言われ続けることがこんなにも心臓に悪かったとは。
「…でも俺はもっと言いたいんだけど」
「いい、いい!もう十分!これ以上は私が死んじゃうから!」
眉を少し下げ、まるで子犬のような瞳で不満げにこちらを見る悠里くんに、私は強い意志で首を横に振る。
これ以上は本当に耐えられないのだ。
だが、そんな私を見た悠里くんは柔らかくその瞳を細めた。



