まだまだ言い足りず不満げに悠里くんを見ると、悠里くんは恥ずかしそうに、フイっと、私から視線を逸らした。
…か、可愛い。耳まで真っ赤だ。
ついつい可愛らしい悠里くんに頬が緩む。
すると、今度は里奈さんが怪しく笑った。
「柚子ちゃんだけ悠里の好きなところを言うのはフェアじゃないよね?悠里も言おうか」
ふふふ、と笑う里奈さんに、少しだけ悠里くんが嫌そうな顔をする。
だが、すぐに「…わかった」と小さく頷いた。
おおおおおおお、推しが!?私の好きなところを言ってくれるぅ!!!!????
今まさに大決定されたとんでもないことに嬉しさのあまり、叫び出したくなる。
もちろん、表向きはあくまで冷静に、にこやかにしているが、内なるリトル柚子は喜びで大はしゃぎだ。
今から悠里くんが言ってくれる私の好きなところを一言一句聞き逃してはいけない。
今日からそこが私のウィークポイントになるのだから。
「…誰にでも平等で、正義感が強いところが好き」
隣から恥ずかしそうに、しかし、しっかりとした口ぶりで、私の好きなところが紡がれ始める。
私はその心地の良い言葉にうんうんと頷き、しっかりと噛み締めた。
なるほど、悠里くんはそう思ってくれているのか。
ならば、今後も風紀委員長として、頑張って働かなくては。



