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それから私たち4人でのクリスマスパーティーは始まった。
リビングの大きなテーブルには、悠里くんと私が作った料理が並べられており、それをみんなで食べながら、話に花を咲かす。
時間を忘れて楽しいひと時を過ごしていると、机を挟んで向こう側に座る里緒ちゃんがふと、明るい顔で口を開いた。
「ねぇ、柚子ちゃん。柚子ちゃんはお兄ちゃんのどんなところが好き?」
「え?」
里緒ちゃんの可愛らしい質問に私は目を丸くする。
「んー。いっぱいあるなぁ…」
そして箸を置き、視線を左上へと向けた。
正直、好きなところをあげるとなると、一日中でもあげ続けられる。
しかし、それは流石によくないだろう。
重要な部分だけでも伝えなければ。
そう思い、じっくり思案していると、隣にいた悠里くんは「無理に答えなくてもいいよ」と、気遣うようにこちらを見ていた。
里緒ちゃんの隣にいる里奈さんは「いい質問だねぇ」と楽しそうだ。
全員の視線を浴びながら、私はゆっくりと話始めた。
「えっと…、まずは誰にでも優しいところが好きで、周りをよく見て、気配りができるところも好き。あとはバスケをしているところもかっこいいし、笑顔も眩しいし、たまに見せてくれる男の子っぽいところも好きだし、見た目も非の打ち所がなくて…」
「ま、待って!もういい!もういいから!」
まだ重要な部分を全て伝えきれていないのだが、顔を真っ赤にした悠里くんからストップが入り、もう喋れなくなる。
強制終了だ。



