■□ 死 角 □■


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一連の“L事件”が解決されて一か月が経った。

季節は初夏を迎えていて、開け放たれた窓から青々とした木々の葉が風で揺らめいている。

鈴原さんの……いいえ、山田くんの実家は、私が曽田刑事さんによって救出されてからすぐに、完全に燃えて崩れた。曽田刑事さんは私を山田家から救出後、安全な場所で救急車が来るまで私を抱きしめていてくれていたらしい。

その所の記憶は曖昧だ。

ただ、私は病院に搬送されたが腹部の鏡の破片の傷と、複数個所の火傷が酷く、それから二日間昏睡状態だったと言う。一時は血液が足りず命が危ぶまれたが、三日目には持ち直したと言うから医師は「信じられない、まるで奇跡だ」と言った。

誰もが私の命を諦めていたので尚更だ。

助けてくれたのは―――


陽菜紀だ。


もし奇跡が存在するのなら、それはこの世のどこにもいない大切な人が私を守ってくれたから。

一週間経って完全に意識が戻り、その後が大変だった。母親は泣きじゃくって私に縋りついて離れようとしなかったし、刑事さんたちが入れ替わり立ち代わり事情を聞きにやってきた。その中に曽田刑事さんの姿もあったが、いつも通り……特に変わった様子もない。

つまりいつも通りデリカシーもなければ、相変わらずボサボサ頭の無精ひげ。でも……よく見たら結構ハンサム…?なんて都合の良いことはなかった。髪を整えて無精ひげを剃っても、王子様どころかまるで任侠映画に出てきそうなヤクザみたいな顔だ。

曽田刑事さんの話に寄ると鈴原さんは全ての犯行を自供したようだ。鈴原さんにマンションに家宅捜索した際、七年前の三人の被害者たちの靴が出てきたのが大きな証拠となった。

今回の事件の内容も私に語った内容とほぼ代わりがない。ただ、私の知らない事実も多々あった。