恋とバグは仕様です。 ~営業スマイルで喧嘩して、恋に落ちるまで~



04|“仮想”じゃない、幸せの定義

 数週間後。

 凛と遥人は、婚約したことを社内に報告した。

 同僚たちは驚きながらも、「やっぱりね!」と口を揃えた。

「いやあ、あの二人、最初からなんかあったもんなあ」

「仮想恋人アプリがほんとに恋人作るとはな」

「バグも恋も、仕様だったってことか〜」

 ふたりは照れ笑いしながらも、嬉しそうに目を合わせた。

「──ねぇ」

「ん?」

「……営業スマイル、もう使わなくていいかな?」

「……とっくに気づいてたよ。お前、最近めっちゃ“素”だよ」

「そっか……」

 自然に、肩が寄り添う。

 もう隠すものは何もない。




              完