「今の時間、女性店員はおりません」
「ふざけやがって。男なんか見ても何も興奮しねぇし盛り上がんねぇだろうが」
「申し訳ありませんが、女性店員を一目見ることが目的でしたらお引き取り願えますか」
「お前客に向かって何て口聞いてんだ? こっちはわざわざ足を運んでやったんだぞ」
「それにつきましては感謝しております。何か商品をお探しでしたらご案内致しますが、お客様も当然ご存知の通り、残念ながら女性店員は商品ではございませんのでご案内することができません。それを踏まえた上でお尋ね致しますが、店内にあるもので何をお探しでしょうか」
毅然とした態度を崩すことなく突っぱね、反社の可能性も捨てきれない刺青の男の目を見て強気に対応する。もし裏社会の人間だとしても、すぐ感情的になるような人間の階級は下の方だろう。チンピラである。上へ行くほど余裕や貫禄があるものだと彼は思っていた。この男からは何も感じない。刺青は自分を強く見せるためのただの装飾だろうか。苛立っている男を見るに、そんなような気がしてきた。こんな男がヤクザであるなど、その道で食っている本業の人たちが好い顔をしないのではないか。店員を前に自分が上だと無駄に威張っている刺青男は、ヤクザの下っ端ですらないただの可哀想な落ちこぼれか。
男は不満を隠しもせずに舌を鳴らす。何も言い返してこない。返す言葉が見つからないのか。熱くなって我を失わないよう、男なりに必死に我慢しているのか。どちらであってもどうでもいい。とにかく早く帰ってほしいものである。ここでまた何か問題を起こされてしまっては堪ったものではない。余計なことで警察沙汰になるのはもう勘弁してほしかった。
「舐めやがって。気味の悪いクソ店員が」
内に秘めることもなく罵声を浴びせた刺青男が、腹立たしげに彼を睥睨して出て行った。勝手に来店して勝手に不機嫌になって出て行ったのだ。
「ふざけやがって。男なんか見ても何も興奮しねぇし盛り上がんねぇだろうが」
「申し訳ありませんが、女性店員を一目見ることが目的でしたらお引き取り願えますか」
「お前客に向かって何て口聞いてんだ? こっちはわざわざ足を運んでやったんだぞ」
「それにつきましては感謝しております。何か商品をお探しでしたらご案内致しますが、お客様も当然ご存知の通り、残念ながら女性店員は商品ではございませんのでご案内することができません。それを踏まえた上でお尋ね致しますが、店内にあるもので何をお探しでしょうか」
毅然とした態度を崩すことなく突っぱね、反社の可能性も捨てきれない刺青の男の目を見て強気に対応する。もし裏社会の人間だとしても、すぐ感情的になるような人間の階級は下の方だろう。チンピラである。上へ行くほど余裕や貫禄があるものだと彼は思っていた。この男からは何も感じない。刺青は自分を強く見せるためのただの装飾だろうか。苛立っている男を見るに、そんなような気がしてきた。こんな男がヤクザであるなど、その道で食っている本業の人たちが好い顔をしないのではないか。店員を前に自分が上だと無駄に威張っている刺青男は、ヤクザの下っ端ですらないただの可哀想な落ちこぼれか。
男は不満を隠しもせずに舌を鳴らす。何も言い返してこない。返す言葉が見つからないのか。熱くなって我を失わないよう、男なりに必死に我慢しているのか。どちらであってもどうでもいい。とにかく早く帰ってほしいものである。ここでまた何か問題を起こされてしまっては堪ったものではない。余計なことで警察沙汰になるのはもう勘弁してほしかった。
「舐めやがって。気味の悪いクソ店員が」
内に秘めることもなく罵声を浴びせた刺青男が、腹立たしげに彼を睥睨して出て行った。勝手に来店して勝手に不機嫌になって出て行ったのだ。



