強盗事件に巻き込まれてしまった日から、後輩には変に懐かれてしまっていた。どれほど雑に扱っても全く手応えがない。寧ろ雑なその対応をいじられているような気さえする。何を言われても何も言わないことが逆効果になっているのか。喜怒哀楽を見せないことで、無表情で無感情の怖い人というよりも、好き放題発言しても怒らない人だと思われているのかもしれない。とどのつまり、舐められているのだ。自分は年下に舐められてしまうタイプのようだが、言い換えれば、それだけ人畜無害であり、隠したいことを隠せているということだ。怪しい人間に積極的に近づこうとする物好きな人などそうそういるものではない。後輩の対応をするのは面倒ではあるが、変に思われていないのならこのままにしておく方が得策か。
彼は頭を働かせる。真顔のまま、この後輩への今後の対応を思案したが、下手に態度を一変させるよりも現状をキープした方がいいという結論に至った。他人にマークされない、誰の記憶にも残らない、影の薄い人間であり続けることが重要だ。今はコンビニ店員の皮を被っているのだから、コンビニ店員でなければならない。それに後輩に舐められている先輩という設定が追加される。彼は非常にしがないコンビニ店員なのだ。
「それで先輩、どうっすか? 俺の彼女見たくないっすか?」
うずうず、うずうず。顔面からも態度からも、見せたくて見せたくてたまらないといった感情が迸っていた。いつ何時も面倒臭い男である。
「別に見なくていいです」
「そうっすよね。先輩だったら絶対そう言うと思ったんで、もうこっちから見せるっすね」
何が何でも彼女を見せるつもりだったようで、後輩はポケットからスマホを取り出してさらさらと操作し始めた。
彼は頭を働かせる。真顔のまま、この後輩への今後の対応を思案したが、下手に態度を一変させるよりも現状をキープした方がいいという結論に至った。他人にマークされない、誰の記憶にも残らない、影の薄い人間であり続けることが重要だ。今はコンビニ店員の皮を被っているのだから、コンビニ店員でなければならない。それに後輩に舐められている先輩という設定が追加される。彼は非常にしがないコンビニ店員なのだ。
「それで先輩、どうっすか? 俺の彼女見たくないっすか?」
うずうず、うずうず。顔面からも態度からも、見せたくて見せたくてたまらないといった感情が迸っていた。いつ何時も面倒臭い男である。
「別に見なくていいです」
「そうっすよね。先輩だったら絶対そう言うと思ったんで、もうこっちから見せるっすね」
何が何でも彼女を見せるつもりだったようで、後輩はポケットからスマホを取り出してさらさらと操作し始めた。



