彼はカッターを手放し、ハサミに持ち替えた。まだ繋がっている首の外側、喉の辺りの皮膚を少しずつ切っていくが、カッターと比べるとなかなか上手くいかず、やりにくい。暫し悪戦苦闘していたが、早々に諦め、代わりに女子の髪の毛を切って気分を入れ替えた。パラパラと毛を落としてから、何とはなしにハサミを首に突き刺してみる。何度目かの晴れやかな気持ちが彼の胸を満たした。
気持ちがいい。人を殺すのは、気持ちがいい。死体を甚振ることすら、気持ちがいい。
二人の人間を好きなだけ殺しまくった後は、一階にある洗面所で返り血の確認をした。顔面が血で汚れているが、服は黒で統一しているおかげか、そこに飛び散っているであろう血液はそれほど目立ってはいない。ひとまず顔に付着している血を洗い落とそうと、水を出してから手袋を外した。裸の手で物を触らないように細心の注意を払いながら顔を拭い、濡れていても構わずに手袋を嵌め直してから水を止める。鏡を見て返り血がしっかり落とせていることを確かめた彼は、いつもはしている腹拵えをする気にもなれないほどに汚れ切っているゴミ屋敷を後にしたのだった。
気持ちがいい。人を殺すのは、気持ちがいい。死体を甚振ることすら、気持ちがいい。
二人の人間を好きなだけ殺しまくった後は、一階にある洗面所で返り血の確認をした。顔面が血で汚れているが、服は黒で統一しているおかげか、そこに飛び散っているであろう血液はそれほど目立ってはいない。ひとまず顔に付着している血を洗い落とそうと、水を出してから手袋を外した。裸の手で物を触らないように細心の注意を払いながら顔を拭い、濡れていても構わずに手袋を嵌め直してから水を止める。鏡を見て返り血がしっかり落とせていることを確かめた彼は、いつもはしている腹拵えをする気にもなれないほどに汚れ切っているゴミ屋敷を後にしたのだった。



