彼は女子の礼には返事をせずに、ピクリとも動かなくなった父親に再び焦点を合わせた。死にたがりではないということもあり、いつも以上に手荒な真似をしてしまったが、徹底的に殺して殺すことに例外はない。寧ろ、死を尊いものとして認識していない人間こそ、抜かりなく殺しておかなければならない。
もう少し殺してから、本来の標的である女子を殺す。この家はゴミ屋敷でずっと臭いため、早めに帰宅したい気持ちは依然としてあるが、先を急いでもいいことはない。急がば回れである。
腹に片足を乗せたまま腰を上げた彼は、何の感慨もなく、まるで無機質な段差を下りるかのように床を踏んだ。広がっている血液は避け、父親の全体図を眺める。ベッドに両足を引っ掛けたような格好悪い姿で、おまけに全裸で死んでいる。実の娘を強姦するような父親には、綺麗な死など必要ない。性犯罪者に対して世間が望んでいることは、死刑または去勢である。
同じ犯罪者で、とりわけシリアルキラーだと言う他ない彼であっても、強姦は理解できなかった。強姦をするくらいなら殺人をした方が絶対にいい。殺人の方が興奮する。その快楽を知らないのはもったいないと感じる。
強姦よりも殺人。殺人をすることで快感を覚える。だからこそ、年頃の女子の裸を見ても、彼は少しも熱くならず、興奮もしないのだった。
生前に娘を襲い、一心不乱に腰を振っていた父親の下半身に目を向けた。すっかり縮こまっている。熱湯をかけられ小さくなったムカデみたいだ。
彼は膝を折り、血に染まっている包丁の刃を剥き出しの生殖器の根元に押し当てた。スライドさせる。繰り返す。
「あの……、私のこと、殺して、くれるんですよね……?」
「殺しますので、もう少しだけ待っていただけますか」
もう少し殺してから、本来の標的である女子を殺す。この家はゴミ屋敷でずっと臭いため、早めに帰宅したい気持ちは依然としてあるが、先を急いでもいいことはない。急がば回れである。
腹に片足を乗せたまま腰を上げた彼は、何の感慨もなく、まるで無機質な段差を下りるかのように床を踏んだ。広がっている血液は避け、父親の全体図を眺める。ベッドに両足を引っ掛けたような格好悪い姿で、おまけに全裸で死んでいる。実の娘を強姦するような父親には、綺麗な死など必要ない。性犯罪者に対して世間が望んでいることは、死刑または去勢である。
同じ犯罪者で、とりわけシリアルキラーだと言う他ない彼であっても、強姦は理解できなかった。強姦をするくらいなら殺人をした方が絶対にいい。殺人の方が興奮する。その快楽を知らないのはもったいないと感じる。
強姦よりも殺人。殺人をすることで快感を覚える。だからこそ、年頃の女子の裸を見ても、彼は少しも熱くならず、興奮もしないのだった。
生前に娘を襲い、一心不乱に腰を振っていた父親の下半身に目を向けた。すっかり縮こまっている。熱湯をかけられ小さくなったムカデみたいだ。
彼は膝を折り、血に染まっている包丁の刃を剥き出しの生殖器の根元に押し当てた。スライドさせる。繰り返す。
「あの……、私のこと、殺して、くれるんですよね……?」
「殺しますので、もう少しだけ待っていただけますか」



