殺されるにしても、人を呼ぶのだからもう少し綺麗にしてくれてもいいのではないかと、彼はゴミ袋を避けたり跨いだりしながら思うが、虐待やいじめを受けて人生に絶望している人間がそこまで気を遣えるはずもないだろうか。玄関の鍵を開けてくれていただけありがたいと思うべきかもしれない。
死にたがっている人間の家が雑然としていることは確かにあったが、ここまで臭いは酷くなかった。長居したくないと思うほどに汚いと感じることもなかった。低レベルの争いだが、失敗作のデブの男の家の方がまだましなくらいである。
彼は上がり框に足を乗せた。靴を履いたままだったが、構わずに殺しに向かう。まずは一階の明るい場所を目指して廊下を進んだ。すると、二階の方から、何かが壁にぶつかるような鈍い音がした。耳を澄ませる。何を言っているのかはっきりとは聞こえないが、誰かが怒鳴っているような声がする。その隙間に紛れ込むようにして、女の叫んでいるような声もする。二階に親子が揃っているのか。怒鳴り声と叫び声。不穏な気配がぷんぷんだ。
親子がそこにいるであろうことが分かっても、彼はすぐに二階に行こうとはせずに、そのまま階段前を通り過ぎて電気の点いたリビングへと入った。案の定、もぬけの殻だ。
部屋は掃除が行き届いておらず、非常に汚かった。玄関に放置されていたゴミ袋の中身をぶちまけたかの如く、様々なゴミが散乱している。息をするのが嫌になるほど臭くてたまらない。
早く殺して帰ろうと、彼は臭いを我慢して凶器になるものを物色する。彼は殺人鬼ではあるが、殺しに使える道具類は持参したことがなかった。素手でも殺すことは可能で、いざとなったら対象の家にあるものを使えばいい。使い方によっては全てのものが凶器になり得るのだ。
死にたがっている人間の家が雑然としていることは確かにあったが、ここまで臭いは酷くなかった。長居したくないと思うほどに汚いと感じることもなかった。低レベルの争いだが、失敗作のデブの男の家の方がまだましなくらいである。
彼は上がり框に足を乗せた。靴を履いたままだったが、構わずに殺しに向かう。まずは一階の明るい場所を目指して廊下を進んだ。すると、二階の方から、何かが壁にぶつかるような鈍い音がした。耳を澄ませる。何を言っているのかはっきりとは聞こえないが、誰かが怒鳴っているような声がする。その隙間に紛れ込むようにして、女の叫んでいるような声もする。二階に親子が揃っているのか。怒鳴り声と叫び声。不穏な気配がぷんぷんだ。
親子がそこにいるであろうことが分かっても、彼はすぐに二階に行こうとはせずに、そのまま階段前を通り過ぎて電気の点いたリビングへと入った。案の定、もぬけの殻だ。
部屋は掃除が行き届いておらず、非常に汚かった。玄関に放置されていたゴミ袋の中身をぶちまけたかの如く、様々なゴミが散乱している。息をするのが嫌になるほど臭くてたまらない。
早く殺して帰ろうと、彼は臭いを我慢して凶器になるものを物色する。彼は殺人鬼ではあるが、殺しに使える道具類は持参したことがなかった。素手でも殺すことは可能で、いざとなったら対象の家にあるものを使えばいい。使い方によっては全てのものが凶器になり得るのだ。



