若い男はSNSで募集していたバイトに応募したようである。とどのつまり、闇バイトである。悪い友達に唆されてしまったのか。誘われてしまったのか。自らの意思で応募したのか。詳細までは聞かされなかったが、組織に所属する何者かにたたきをするよう指示され犯行に及んだと見て間違いないだろう。

 泥濘に両足を突っ込んでしまった以上、簡単には抜け出せない。じたばたと踠けば踠くほどずぶずぶと沈んでいくことを知り、気づいた時には犯罪に手を染めるしかなくなっていた。やり遂げるしかなくなっていた。他の三人も似たようなものなのではないか。

 闇バイトが問題になっていることは承知していたが、それがまさか自分の働いているコンビニを舞台にされるとは思っていなかった。治安が悪くなっているように思わないでもない。自分自身がそのような人種であるため、類は友を呼んでいるだけだろうか。

 類は友を呼ぶ。その良い例なのが、現在車の助手席に座っているカナデである。普通であれば、人生で関わることはないような人だ。

 彼もカナデも互いの素性を明かしている。殺人鬼と詐欺師。世間一般では犯罪者とされる二人だからこそ、誰にも見えないような暗い場所で不思議な関係が続いているのかもしれない。

「看板が見えますね。そこを右です」

 己の存在を知らせる看板を確認し、彼はウィンカーを出した。直進車が一台通り過ぎていく。歩道には誰もいない。ハンドルを回した。

 駐車場は空いている。人も車も少ない夜である。カナデと相談し、わざとその時間に調整していた。

 彼は適当な場所に車を停め、エンジンを切った。シートベルトを外す。隣でカナデも同じようにしながら、何やら短い感想を述べ始めた。