彼が必要最低限の会話しかしないのは、何も後輩に対してだけではない。これも、彼の平常運転である。
仕事中に関わらず、あまり人と深い仲にはなりたくなかった。距離の近さが原因となり、隠している重大な秘密がバレてしまったら水の泡である。一巻の終わりである。
「なんか、全然喋んないっすね」
レジから出てきた後輩が歩きながら声を上げ、会話を続けようとする。先程の女性を最後に客はまたいなくなってしまったため、後輩と二人きりだった。整理整頓の続きをしないのかと思わないでもないが、彼は何も指摘せずに手を動かし続ける。自分も隠れて仕事に関係ないことをしてしまうことがある上に、店のトップである店長ですら深夜はぼんやりしていることがあるのだから、注意できる立場にはいなかった。
「喋るのはあまり好きではないですから」
「そうなんすね。いや、第一印象からクールな人だとは思ってたんすけど、クールはクールでも超がつくほどクールっすね。めちゃくちゃモテそうっす。彼女いるんすか?」
プライベートに土足で踏み込んでくるようなこのいらない積極性は何なのか。喋るのは好きではないと言っているのにくだらない質問をして喋らせようとするのは甚だ疑問である。仕事の内容であればそんなことは思わなかっただろうが、彼女の有無など仕事に関係なさすぎる問いでしかない。
此奴は面倒臭い新人だ。すかすかすねすねうるさいちゃらんぽらんなのも好かない。殺してやろうか。
殺そうと思えば今すぐにでも殺せるが、監視カメラがしっかり見張っている。それがなくとも、真っ先に怪しまれるのはシフトが被っていた自分である。通り魔的な殺人は自分の首を絞めるだけだ。
彼は先輩としての広い心と余裕を持って、舐め腐った口調の後輩の相手をしてやった。
仕事中に関わらず、あまり人と深い仲にはなりたくなかった。距離の近さが原因となり、隠している重大な秘密がバレてしまったら水の泡である。一巻の終わりである。
「なんか、全然喋んないっすね」
レジから出てきた後輩が歩きながら声を上げ、会話を続けようとする。先程の女性を最後に客はまたいなくなってしまったため、後輩と二人きりだった。整理整頓の続きをしないのかと思わないでもないが、彼は何も指摘せずに手を動かし続ける。自分も隠れて仕事に関係ないことをしてしまうことがある上に、店のトップである店長ですら深夜はぼんやりしていることがあるのだから、注意できる立場にはいなかった。
「喋るのはあまり好きではないですから」
「そうなんすね。いや、第一印象からクールな人だとは思ってたんすけど、クールはクールでも超がつくほどクールっすね。めちゃくちゃモテそうっす。彼女いるんすか?」
プライベートに土足で踏み込んでくるようなこのいらない積極性は何なのか。喋るのは好きではないと言っているのにくだらない質問をして喋らせようとするのは甚だ疑問である。仕事の内容であればそんなことは思わなかっただろうが、彼女の有無など仕事に関係なさすぎる問いでしかない。
此奴は面倒臭い新人だ。すかすかすねすねうるさいちゃらんぽらんなのも好かない。殺してやろうか。
殺そうと思えば今すぐにでも殺せるが、監視カメラがしっかり見張っている。それがなくとも、真っ先に怪しまれるのはシフトが被っていた自分である。通り魔的な殺人は自分の首を絞めるだけだ。
彼は先輩としての広い心と余裕を持って、舐め腐った口調の後輩の相手をしてやった。



