後輩は機敏な動きで敬礼をする。言動は軽いが、やる気はあるようだ。そのやる気を買われたのだろうか。
後輩は出入口側の雑誌コーナーから順に見て回り、乱れている商品を整えていく。見かけによらず几帳面なのか、丁寧な所作だった。チャラチャラしている上に、仕事への意欲はあっても中身が伴っていない新人だった場合、今後はできるだけペアになりたくないと思っていたが、それは杞憂に終わりそうである。チャラチャラしていることに関しては、ひとまず目を瞑ることにした。
彼は後輩のいる反対側の食品コーナーの整理から始めた。手前のものが売れたことで奥に残っている商品を前出しし、見栄えを良くしていく。誰にでもできる作業だが、誰かがしなければならない作業だった。単純なことでも、仕事の一つである。
「いらっしゃいませ」
聞き慣れた音楽と共に、後輩の元気のいい溌剌とした声がした。彼も遅れて同じ言葉を発するが、温度差は歴然である。後輩が明るすぎるのだ。接客業に向きすぎている。仕事だと割り切って全力なのかもしれないが、全員が全員できることではないだろう。実際、彼にはできない。接客業の最低限のルールを、合格ラインギリギリで守っているだけの彼にはできない。
後輩に大歓迎された客は女性だった。酸いも甘いも噛み分けたような中年の女性。手に何か持っている。じろじろ見ないようにして流し見た。煙草の箱のようだ。
考えられる展開が脳内を駆け巡る。購入したばかりの煙草で何か問題があったのか。いつも吸っている銘柄とは異なるものを誤って購入してしまったために、返品交換のお願いをしに来たのか。持ってきたものと同じ煙草を買いに来たのか。
同じ銘柄を求めてやってきた展開であればいいが、いずれにせよ女性は店員に声をかけるだろう。近くにいる後輩の元へ向かっている。
後輩は出入口側の雑誌コーナーから順に見て回り、乱れている商品を整えていく。見かけによらず几帳面なのか、丁寧な所作だった。チャラチャラしている上に、仕事への意欲はあっても中身が伴っていない新人だった場合、今後はできるだけペアになりたくないと思っていたが、それは杞憂に終わりそうである。チャラチャラしていることに関しては、ひとまず目を瞑ることにした。
彼は後輩のいる反対側の食品コーナーの整理から始めた。手前のものが売れたことで奥に残っている商品を前出しし、見栄えを良くしていく。誰にでもできる作業だが、誰かがしなければならない作業だった。単純なことでも、仕事の一つである。
「いらっしゃいませ」
聞き慣れた音楽と共に、後輩の元気のいい溌剌とした声がした。彼も遅れて同じ言葉を発するが、温度差は歴然である。後輩が明るすぎるのだ。接客業に向きすぎている。仕事だと割り切って全力なのかもしれないが、全員が全員できることではないだろう。実際、彼にはできない。接客業の最低限のルールを、合格ラインギリギリで守っているだけの彼にはできない。
後輩に大歓迎された客は女性だった。酸いも甘いも噛み分けたような中年の女性。手に何か持っている。じろじろ見ないようにして流し見た。煙草の箱のようだ。
考えられる展開が脳内を駆け巡る。購入したばかりの煙草で何か問題があったのか。いつも吸っている銘柄とは異なるものを誤って購入してしまったために、返品交換のお願いをしに来たのか。持ってきたものと同じ煙草を買いに来たのか。
同じ銘柄を求めてやってきた展開であればいいが、いずれにせよ女性は店員に声をかけるだろう。近くにいる後輩の元へ向かっている。



