文字の節々から猜疑心が見て取れる。そうだろうな、と彼は指先同士を擦り合わせた。
突然現れた、俺があなたを殺しますよ、などとコンタクトを取る人物を、いくらそれを望んでいるからといってすぐに信じられる人は少ないだろう。前回命を奪わせてくれた女も最初はそうだった。
自殺志願者を面白おかしく揶揄して煽る輩がたまにいる。相手はそれを警戒している。そんな輩と一緒にされるのは不服であった。
彼はスマホの縁を指先で軽く叩き、言葉をまとめてから文字を打ち込んだ。
【からかってはいません。ちゃんと殺します。こちらから、殺しに行きます。あなたは家で待っているだけで大丈夫です。死にたくても死ねないのなら、俺が責任を持ってあなたを殺しますから】
先を急ごうとせず、冷静に誘導し、信頼を得ることを第一に考えた。
まだ序盤に過ぎないが、相手からの返信があったことでその時が着々と近づいている兆しを感じ、胸が弾んでしまいそうになる。でも、まだだ。彼は意識して深呼吸をし、昂る感情をグッと堪えた。
次の殺しに選別したアカウントは、殺してやってもいいよという人が俺を見つけてくれますように、と呟いていた人のものだった。
リストに入れたアカウントを後日取捨選択した時、幸か不幸かどれも自殺願望に嘘はないように思えた。
誰でも大丈夫そうだと判断する中でそのアカウントを選んだのは、見つけてくれますようにと願っていたからでもあり、フォローせずにダイレクトメッセージを送れるからでもあった。ほとんどの人はそこが非公開設定になっていたのだ。非公開では、第三者に見られることなく秘密裏に話を進めることができない。フォローすればメッセージを送れるようになるかもしれないが、そこまでして接触を図るつもりはなかった。
突然現れた、俺があなたを殺しますよ、などとコンタクトを取る人物を、いくらそれを望んでいるからといってすぐに信じられる人は少ないだろう。前回命を奪わせてくれた女も最初はそうだった。
自殺志願者を面白おかしく揶揄して煽る輩がたまにいる。相手はそれを警戒している。そんな輩と一緒にされるのは不服であった。
彼はスマホの縁を指先で軽く叩き、言葉をまとめてから文字を打ち込んだ。
【からかってはいません。ちゃんと殺します。こちらから、殺しに行きます。あなたは家で待っているだけで大丈夫です。死にたくても死ねないのなら、俺が責任を持ってあなたを殺しますから】
先を急ごうとせず、冷静に誘導し、信頼を得ることを第一に考えた。
まだ序盤に過ぎないが、相手からの返信があったことでその時が着々と近づいている兆しを感じ、胸が弾んでしまいそうになる。でも、まだだ。彼は意識して深呼吸をし、昂る感情をグッと堪えた。
次の殺しに選別したアカウントは、殺してやってもいいよという人が俺を見つけてくれますように、と呟いていた人のものだった。
リストに入れたアカウントを後日取捨選択した時、幸か不幸かどれも自殺願望に嘘はないように思えた。
誰でも大丈夫そうだと判断する中でそのアカウントを選んだのは、見つけてくれますようにと願っていたからでもあり、フォローせずにダイレクトメッセージを送れるからでもあった。ほとんどの人はそこが非公開設定になっていたのだ。非公開では、第三者に見られることなく秘密裏に話を進めることができない。フォローすればメッセージを送れるようになるかもしれないが、そこまでして接触を図るつもりはなかった。



