刺青の男を捌いてから数十分が経った頃、扉が開閉されて新たな客が来店したかと思えば、やけに声量のある声に呼びかけられた。耳が勝手に覚えてしまった声だった。
「こんばんは、先輩。来ちゃったっす」
言わずと知れた後輩である。彼は無言で顔を向けた。こちらへ駆け寄りながらにこにこと笑みを浮かべている後輩と、駆ける後輩の後を追っている金髪の女の姿が目に入った。後輩はオフの日で、彼女とデートをすると言っていたはずだ。つまりこの金髪の女が、後輩曰く超可愛い彼女なのだろうか。画像を見せられた時は近すぎてよく分からなかったため、後輩の彼女の姿は把握できていなかった。初見と言っても過言ではない。
「先輩に彼女紹介するって言ったんで、連れてきたんすよ。先輩に会うにはこの時間のこのコンビニしかないんで、先輩の仕事中になっちゃったんすけど」
ノーリアクションでこちらが何も聞いていなくても勝手に語り始めるのが後輩であり、彼女など紹介しなくていいと言っても紹介してくるのがまた後輩である。
求めてはいない彼女の紹介であったとしても、流石に何か口にしなければならないかと彼は金髪の女をじろじろ見ない程度に見た。負けん気の強そうな女だった。だからといって、負けん気の強そうな人ですね、とは言うべきではないだろう。彼は他の当たり障りのない要素を探したが、女が先に口を開いたことで彼の出番は消失した。構わなかった。
「この人がよく話題に上がってた先輩なの? やばすぎ、超かっこいいじゃん。思った以上に推せるんだけど」
「な、言った通りっしょ。かっこいいわけよ。中身もイケメンの最強の先輩だよ。同じ男だけど、俺も先輩のことはめちゃくちゃ推してるんだよな。一生ついていきたいくらい」
「こんばんは、先輩。来ちゃったっす」
言わずと知れた後輩である。彼は無言で顔を向けた。こちらへ駆け寄りながらにこにこと笑みを浮かべている後輩と、駆ける後輩の後を追っている金髪の女の姿が目に入った。後輩はオフの日で、彼女とデートをすると言っていたはずだ。つまりこの金髪の女が、後輩曰く超可愛い彼女なのだろうか。画像を見せられた時は近すぎてよく分からなかったため、後輩の彼女の姿は把握できていなかった。初見と言っても過言ではない。
「先輩に彼女紹介するって言ったんで、連れてきたんすよ。先輩に会うにはこの時間のこのコンビニしかないんで、先輩の仕事中になっちゃったんすけど」
ノーリアクションでこちらが何も聞いていなくても勝手に語り始めるのが後輩であり、彼女など紹介しなくていいと言っても紹介してくるのがまた後輩である。
求めてはいない彼女の紹介であったとしても、流石に何か口にしなければならないかと彼は金髪の女をじろじろ見ない程度に見た。負けん気の強そうな女だった。だからといって、負けん気の強そうな人ですね、とは言うべきではないだろう。彼は他の当たり障りのない要素を探したが、女が先に口を開いたことで彼の出番は消失した。構わなかった。
「この人がよく話題に上がってた先輩なの? やばすぎ、超かっこいいじゃん。思った以上に推せるんだけど」
「な、言った通りっしょ。かっこいいわけよ。中身もイケメンの最強の先輩だよ。同じ男だけど、俺も先輩のことはめちゃくちゃ推してるんだよな。一生ついていきたいくらい」



