それでも、店長の穏やかさは変わらない。全裸男のことで報告をした時も、被害者の女性含めまずは身の安全が確保できているかの確認をしてくれた。後輩が逃げようとした全裸男を捕らえて羽交い締めにしていることを伝えた時には、どうしてわざわざ追いかけるような危険な真似をしたのかと彼が叱責されてしまったが、最終的には現場へと駆けつけてくれたのだった。事が落ち着いてから、逃走を図った全裸男を取り押さえた張本人に店長が、危険な行動は取るなと注意したことは言うまでもないが、最後には労いの言葉をかけてあげていた。後輩の起こした行動を完全否定することはしていなかったのだ。人の気持ちをよく考えている店長は、電話口で声を荒げてしまったことを彼に謝るくらいには誠実で繊細な人であった。
基本的にはのんびりとしているものの、いざという時はてきぱきと指示を出して動いてくれる。見かけによらず意外とリーダーシップが取れるところが、この店長が店長になれた所以だろうか。
「特に問題を起こさずに帰ってくれて良かったです」
「それはそうだね」
店長が頷く。彼は刺青の男に気味悪がられてしまった調子のまま、止まっていた手を再度動かした。
自分のことを気味の悪いクソ店員だと思っている人は、刺青の男以外にもいるのかもしれないと彼は思う。それでも気にすることはなかった。誰も彼もに好かれるなど無理な話である。寧ろ、人間的に好きか嫌いか分かれる方が、普通の人間っぽいのではないか。
自分は普通になれている。普通に溶け込めている。周りの反応がそうしてくれている。その他大勢の一人になれている。どこにでもいる普通の人間としてこの場にいられている。
男の言う気味の悪いクソ店員であっても、彼は淡々と仕事を続けた。その様子を見た店長も、別の売場で仕事の続きを始める。他の店員と比べてメンタルの強い彼にケアを施す必要はほとんどないのだった。
基本的にはのんびりとしているものの、いざという時はてきぱきと指示を出して動いてくれる。見かけによらず意外とリーダーシップが取れるところが、この店長が店長になれた所以だろうか。
「特に問題を起こさずに帰ってくれて良かったです」
「それはそうだね」
店長が頷く。彼は刺青の男に気味悪がられてしまった調子のまま、止まっていた手を再度動かした。
自分のことを気味の悪いクソ店員だと思っている人は、刺青の男以外にもいるのかもしれないと彼は思う。それでも気にすることはなかった。誰も彼もに好かれるなど無理な話である。寧ろ、人間的に好きか嫌いか分かれる方が、普通の人間っぽいのではないか。
自分は普通になれている。普通に溶け込めている。周りの反応がそうしてくれている。その他大勢の一人になれている。どこにでもいる普通の人間としてこの場にいられている。
男の言う気味の悪いクソ店員であっても、彼は淡々と仕事を続けた。その様子を見た店長も、別の売場で仕事の続きを始める。他の店員と比べてメンタルの強い彼にケアを施す必要はほとんどないのだった。



