今日も推しが尊いので溺愛は遠慮いたします!~なのに推しそっくりな社長が迫ってきて!?~

「君は俺の大切な秘書だし無条件で助けてもいいんだが……一方的な施しというのは、かえって受け取る側の負担になる。君も嫌がるんじゃないかと思ってね」

彼の主張は理解できるものだった。雪雅は常々、ビジネスはギブ&テイクの関係性を築かなくては失敗すると言っていた。片方だけが得をする、損をする関係は必ず破綻を迎えると。

芽衣子も同じ意見だ。実家を助けたい気持ちはあるが、雪雅の同情心に甘えて施しを受けるのは望まない。そういう関係性は正しくないと思うから。

「はい。社長のおっしゃるとおり、ただ助けてもらうだけというのは嫌かもしれません」
「だろう? だから交換条件、ウィンウィンの契約を結ぶのはどうだ?」
「ウィンウィン……正直、私が夏目社長に与えられるものが思い浮かびませんが」

この世のすべてを持っているといっても過言ではない彼に、自分がどんな価値を提供できるというのだろう。素直に尋ねると彼は笑って「あるよ」と言った。

「――俺の妻になってくれないか?」

あまりに突拍子もない話で芽衣子の脳がフリーズする。

「は? え、えっと」
「順を追ってきちんと説明しよう」