「実家のトラブルはその後どうだ?」
「え?」
「お父さんが退院されたことは喜ばしいが、ストレスの元凶を取り除かないことには心配だよな」
「はい、それはたしかに。でも両親も思いきって店を移転することも考えているので」
本当はその策は難しいのだけれど、これ以上雪雅に愚痴を聞いてもらうのも申し訳ないので、芽衣子は明るい声で解決に向かっているかのように話す。ところが――。
「そう簡単にはいかないんだろう?」
まるで話を聞いてきたかのように彼が言うので、芽衣子は驚いた。苦笑交じりに彼は打ち明ける。
「実はあのあと、君のお母さんから礼の電話をもらってね。そのときに少し話を聞かせてもらったんだ」
「そうだったんですか? 母はそんな話ひと言も……」
「俺が口止めしたんだよ。君が怒るだろうと思って」
雪雅はからかうように片目だけをつむってみせる。
「怒ったりはしませんが、実家の問題は仕事とは関係ないので夏目社長にこれ以上のご負担をおかけするわけには」
母に対して「私の知らないところで夏目社長と話をしていたなんて」と問いただしたい気持ちがやはりあった。それが顔に出たのだろう。雪雅はクスリとして目を細める。
「お母さんに怒るのは筋違いだよ。俺が強引に話を聞き出したんだ」
「え?」
「お父さんが退院されたことは喜ばしいが、ストレスの元凶を取り除かないことには心配だよな」
「はい、それはたしかに。でも両親も思いきって店を移転することも考えているので」
本当はその策は難しいのだけれど、これ以上雪雅に愚痴を聞いてもらうのも申し訳ないので、芽衣子は明るい声で解決に向かっているかのように話す。ところが――。
「そう簡単にはいかないんだろう?」
まるで話を聞いてきたかのように彼が言うので、芽衣子は驚いた。苦笑交じりに彼は打ち明ける。
「実はあのあと、君のお母さんから礼の電話をもらってね。そのときに少し話を聞かせてもらったんだ」
「そうだったんですか? 母はそんな話ひと言も……」
「俺が口止めしたんだよ。君が怒るだろうと思って」
雪雅はからかうように片目だけをつむってみせる。
「怒ったりはしませんが、実家の問題は仕事とは関係ないので夏目社長にこれ以上のご負担をおかけするわけには」
母に対して「私の知らないところで夏目社長と話をしていたなんて」と問いただしたい気持ちがやはりあった。それが顔に出たのだろう。雪雅はクスリとして目を細める。
「お母さんに怒るのは筋違いだよ。俺が強引に話を聞き出したんだ」



