今日も推しが尊いので溺愛は遠慮いたします!~なのに推しそっくりな社長が迫ってきて!?~

にこりとほほ笑み返すと、彼も社内よりは砕けた笑顔を浮かべる。

「それと、君にひとつ頼みがあって」

先日の発言はやはり聞き間違いではなかったようだ。芽衣子は「なんでしょう」と尋ねてが、彼は「食事のあとでゆっくり話そう」とすぐには教えてくれなかった。

雪雅が目をつけた店なだけあって、どの料理も絶品だった。フレンチらしい見た目の華やかさ、けれど味つけは和のテイストを感じさせて日本人の舌になじむ。

「料理もですが、お酒がどれもおいしいですね」

彼が料理に合わせてセレクトしてくれるワインも素晴らしい。口当たりが軽やかで、ついつい飲みすぎてしまいそうだ。

「帰りは責任を持って送り届けるから、好きなだけ飲むといいよ」

雪雅はそうとう酒に強いのだろう。芽衣子に合わせてそれなりに飲んではいるけれど、涼しげな顔に変化はない。硬すぎず、かといって砕けすぎない話題で上手に場を盛りあげてくれていた雪雅は、最後のひと皿であるデザートプレートが運ばれてきたタイミングでふと真剣な顔になる。例の頼みごとの話なのだろうと理解して芽衣子も表情を引き締めた。

ところが彼の口から出たのは意外な話題だった。