今日も推しが尊いので溺愛は遠慮いたします!~なのに推しそっくりな社長が迫ってきて!?~

「土地が絡む商売は荒っぽい連中も多いからな。そのオーナーの名はわかるか? どういう素性の人間か調べておこう」
「い、いえ! そこまでお世話をかけるわけにはいきません。少なくとも、両親の主張が正しいことがわかっただけで安心しました」

向こうの出方によっては警察に相談することも考えてみる。芽衣子はそう結論づけて、やや強引に話を切りあげた。

「私的な相談などしてしまって申し訳ありません」
「むしろもっと頼ってくれていいのに。なにか困った事態になったらいつでも言ってくれ」
「ありがとうございます、心強いです」

会話が途切れたところで、ちょうど車が病院に着いた。

「俺はしばらくここで待っているから、とりあえず行っておいで」

ここで大丈夫だと芽衣子は断ったのだけれど、彼は「ドライバーがまだ必要になるかもしれないし状況がわかるまでは待っているよ」と言ってくれた。

芽衣子は彼を残して父のもとに向かう。

「……胃潰瘍?」
「えぇ。命に関わるような病気じゃないから、その点は心配いらないって」

病院内の薄暗い廊下で母からそう説明を受けて、芽衣子はほぅと大きく息を吐く。