「…」
改めて、夢の中で私は、祖竜と相対した。
彼の瞳には、深い悲しみがたたえられている。
…無理からぬことだろう。
彼が、これまで背負ってきたものの重さを思えば。
…この祖竜、こそが。
私をこれまで、守ってくれた。
時に私の記憶を消し、全てを忘れさせて。
そして彼は…私に、一つの願いを託した。
その願いを、己の使命として遂行すること。
それこそ、私が竜人として生まれた意味…。
祖竜は悲しそうに、私を見つめていた。
竜でもなく、かと言って人でもなく。
人間の身勝手で生まれた、どっちつかずの私に。
祖竜は、憐れみを感じているようだった。
私だけじゃない。
私以外の、全ての竜人に対して。
…だからこそ、彼は私に願いを託した。
これ以上、こんな悲劇を繰り返さないでくれと。
「…いいよ」
私は、悲しそうな祖竜に微笑みかけた。
君も、ずっと一人で頑張ってきたんだよね。
だから、もう休みたいよね。
…私もだよ。
「私が助けてあげる」
君が、ずっと私を助けてくれていたように。
今度は、私が君を助けてあげるよ。
祖竜はそっと、私に近づくと。
その白い手で、私の胸に触れた。
その瞬間、私は、全てを知った。
遠い遠い昔に滅びた、竜族という憐れな種族の記憶。
祖竜の記憶を。
「…そっか…。…そうだったんだね」
私は、何度も頷いた。
君も…いや、君達も、凄く大変だったんだね。
そこまでして…いっぱい、頑張ったんだね。
その上で人間は…そして、竜族は…。
…。
「…分かった。君の願いを叶えるよ」
「…」
「…そんなに悲しそうな顔、しないで」
私は悲しくないよ。全然。
だって、私には意味がある。
生まれてきた意味も、これまで生きてきた意味も。
そして、死ぬ時でさえ、その死には意味がある。
自分の生は無意味じゃなかった。自分の死も、無意味じゃなかった。
そう思えることって…とても、幸せなことでしょう?
だから、大丈夫。
君の望むようにする。
「終わらせてあげるからね。…全部」
私が、そう言うと。
祖竜は小さく頷き、そして。
…その瞳から一筋の涙がこぼれるのを、私は見た。
改めて、夢の中で私は、祖竜と相対した。
彼の瞳には、深い悲しみがたたえられている。
…無理からぬことだろう。
彼が、これまで背負ってきたものの重さを思えば。
…この祖竜、こそが。
私をこれまで、守ってくれた。
時に私の記憶を消し、全てを忘れさせて。
そして彼は…私に、一つの願いを託した。
その願いを、己の使命として遂行すること。
それこそ、私が竜人として生まれた意味…。
祖竜は悲しそうに、私を見つめていた。
竜でもなく、かと言って人でもなく。
人間の身勝手で生まれた、どっちつかずの私に。
祖竜は、憐れみを感じているようだった。
私だけじゃない。
私以外の、全ての竜人に対して。
…だからこそ、彼は私に願いを託した。
これ以上、こんな悲劇を繰り返さないでくれと。
「…いいよ」
私は、悲しそうな祖竜に微笑みかけた。
君も、ずっと一人で頑張ってきたんだよね。
だから、もう休みたいよね。
…私もだよ。
「私が助けてあげる」
君が、ずっと私を助けてくれていたように。
今度は、私が君を助けてあげるよ。
祖竜はそっと、私に近づくと。
その白い手で、私の胸に触れた。
その瞬間、私は、全てを知った。
遠い遠い昔に滅びた、竜族という憐れな種族の記憶。
祖竜の記憶を。
「…そっか…。…そうだったんだね」
私は、何度も頷いた。
君も…いや、君達も、凄く大変だったんだね。
そこまでして…いっぱい、頑張ったんだね。
その上で人間は…そして、竜族は…。
…。
「…分かった。君の願いを叶えるよ」
「…」
「…そんなに悲しそうな顔、しないで」
私は悲しくないよ。全然。
だって、私には意味がある。
生まれてきた意味も、これまで生きてきた意味も。
そして、死ぬ時でさえ、その死には意味がある。
自分の生は無意味じゃなかった。自分の死も、無意味じゃなかった。
そう思えることって…とても、幸せなことでしょう?
だから、大丈夫。
君の望むようにする。
「終わらせてあげるからね。…全部」
私が、そう言うと。
祖竜は小さく頷き、そして。
…その瞳から一筋の涙がこぼれるのを、私は見た。


