「福祉事業は王妃様が情熱を持って取り組んでおられたことです。こちらの施設は以前から熱心に支援しておられて、老朽化した施設の改修費用を集めるために王妃様もずいぶん奔走されて。この式典は王妃様も行きたかったはずです。ぜひ陛下が代わりに出席してあげてください!」
そう熱く語るレナートは
フィロメナがこれまで人知れず取り組んできたことを
詳細に教えてくれた。
福祉施設で老人たちの話し相手になったり、
病で苦しむ者たちのケアを手伝ったり、
孤児院の子どもたちに読み書きを教えてあげたり。
どれもこれも、
自分や王太后、サレハが
全く手を回していなかったことばかりだ。
これだけ国民のために尽くしていれば
慕われるのも当然か。
熱心に取り組んできたことならば、
彼女も出席したいのではないだろうか。
そう考えたオルランドは、
ダメもとでフィロメナを誘ってみる。
リニューアルの式典に一緒に出ないかと。
フィロメナは数秒逡巡したのち、
静かに首を横に振った。
「出席したいのはやまやまなのですが、この身体では…骨折こそしていないものの、足首を捻ってしまってまだ長時間の歩行ができませんし、腰も痛めましたので馬車移動も難しいでしょう。」
オルランドもわずかに期待していただけに残念だったが、
フィロメナの身体が最優先だ。
無理をさせるわけにはいかない。
そう熱く語るレナートは
フィロメナがこれまで人知れず取り組んできたことを
詳細に教えてくれた。
福祉施設で老人たちの話し相手になったり、
病で苦しむ者たちのケアを手伝ったり、
孤児院の子どもたちに読み書きを教えてあげたり。
どれもこれも、
自分や王太后、サレハが
全く手を回していなかったことばかりだ。
これだけ国民のために尽くしていれば
慕われるのも当然か。
熱心に取り組んできたことならば、
彼女も出席したいのではないだろうか。
そう考えたオルランドは、
ダメもとでフィロメナを誘ってみる。
リニューアルの式典に一緒に出ないかと。
フィロメナは数秒逡巡したのち、
静かに首を横に振った。
「出席したいのはやまやまなのですが、この身体では…骨折こそしていないものの、足首を捻ってしまってまだ長時間の歩行ができませんし、腰も痛めましたので馬車移動も難しいでしょう。」
オルランドもわずかに期待していただけに残念だったが、
フィロメナの身体が最優先だ。
無理をさせるわけにはいかない。



