宗主国の皇女は、属国で幸せを見つける

フィロメナの居室に入った瞬間、
オルランドは衝撃を受けた。

誰だ、あの美女は!?

ソファに腰掛けていたのは
動揺するほどに美しい容姿の女性だった。
思わず立ち尽くして見惚れてしまう。
(フィロメナなんだよな。なんて美しい・・・いや、ちょっとこれは予想外だ。)
フィロメナは化粧が濃すぎだと
オルランドも常々思っていたが、
まさかこんな美しい顔をしていたとは思わなかった。
ドレスから見えるフィロメナの豊満な胸も
オルランドの心臓の鼓動を加速させる。

フィロメナに惚れてしまったことを
オルランドは自覚せざるを得なかった。
(これはもう・・・完敗だ。)
王妃として好ましく思っていたのと、
人間関係の不憫さが可哀想で
自分が守ってあげなくてはと
ある種の責任を感じていたのに加えて、
フィロメナそのものに惚れてしまった。
もう絶対に手放したくない。

「レナートから王妃のことを聞いて、急いで帰ってきたんだ。身体はどうだ?その腕も・・・利き腕だから、生活も大変だろう。」
フィロメナの左腕にはギプスがはめられていて、
痛々しさが伝わってくる。
「体調の方はもう大丈夫です。マーゴたちが心を込めて看病してくれたので痛みはなくなりました。この腕も数ヶ月安静にしていれば綺麗に治るとお医者様も言っていました。」