王太后は一度怒ると手が付けられないので
オルランドは次第に
自分の意思を封印し、
王太后が望むことを
淡々とこなすようになる。
その方が平和だからだ。
王太后と真正面からぶつかるのは
気力が要るし、時間が勿体ない。
そういうわけで、
王太后の管理下にいることを
甘んじて受け入れていたら
同じ年頃の女性と知り合う機会など
全くなくなってしまった。
交流があると言えば、
実妹のアドリアーナと
妹同然のサレハぐらいである。
その結果、
男女間の心の機微について学ぶ機会を逸し、
とてつもなく奥手な男が出来上がってしまった。
結婚式が初対面だったフィロメナと
どんな話をしていいか分からなかったし、
ドラゴニアから押しつけられた結婚に
オルランド自身、反発心もあった。
また、
母親を筆頭に貴族たちの反応を考えると
王妃と親しくなりすぎるのは
得策ではないとも思えた。
このような事情から、
フィロメナの対応は
側近のレナートに一任して
自身は王の責務に集中するという
結果になってしまったのだった。
最初のうちはそれで何も問題なかったが、
ある出来事を機に心境が変化する。
それは毎年恒例の
新年のレセプションでのことだった。
オルランドは次第に
自分の意思を封印し、
王太后が望むことを
淡々とこなすようになる。
その方が平和だからだ。
王太后と真正面からぶつかるのは
気力が要るし、時間が勿体ない。
そういうわけで、
王太后の管理下にいることを
甘んじて受け入れていたら
同じ年頃の女性と知り合う機会など
全くなくなってしまった。
交流があると言えば、
実妹のアドリアーナと
妹同然のサレハぐらいである。
その結果、
男女間の心の機微について学ぶ機会を逸し、
とてつもなく奥手な男が出来上がってしまった。
結婚式が初対面だったフィロメナと
どんな話をしていいか分からなかったし、
ドラゴニアから押しつけられた結婚に
オルランド自身、反発心もあった。
また、
母親を筆頭に貴族たちの反応を考えると
王妃と親しくなりすぎるのは
得策ではないとも思えた。
このような事情から、
フィロメナの対応は
側近のレナートに一任して
自身は王の責務に集中するという
結果になってしまったのだった。
最初のうちはそれで何も問題なかったが、
ある出来事を機に心境が変化する。
それは毎年恒例の
新年のレセプションでのことだった。



