その夜、
自分に割り当てられた客間のベットに
ごろりとその身を横たえて
オルランドは物思いに耽った。
頭に浮かぶのはフィロメナのことだ。
彼女は今、どうしているだろうか?
オルランドは、
自分のフィロメナへの気持ちが何なのか
はっきりわからなかった。
濃すぎる化粧にツンと澄ました顔。
いつも張り付いたような微笑を浮かべて
決して誰とも打ち解けようとしない妻。
そんな彼女のことを
オルランド自身どう接していいか分からず
持て余してしまっていた。
オルランドは人付き合いが苦手だ。
こと、女性に関しては特に。
これは過干渉な母親に原因があった。
辛い治療の末に、
やっとの思いで授かった息子を
王太后は溺愛していた。
どこに出しても恥ずかしくない
完全無欠の跡継ぎに育ててみせると
息子の教育に
並々ならぬ情熱を燃やしたのである。
それは教育熱心の範疇を超え、
息子の全てを自分の管理下に置くという
狂気さえ感じるものだった。
王太后のお眼鏡にかなった人物としか
交流は許されず、
やってみたいと思ったことも
王太后の許可がなければ
やらせてもらえなかった。
逆に、
やりたくない、興味がないことも
王太后がやれと言えばやるしかなかった。
王太后は普段はオルランドに甘いが、
自分の意に沿わなかったりしたら
劣化のごとく怒り散らした。
自分に割り当てられた客間のベットに
ごろりとその身を横たえて
オルランドは物思いに耽った。
頭に浮かぶのはフィロメナのことだ。
彼女は今、どうしているだろうか?
オルランドは、
自分のフィロメナへの気持ちが何なのか
はっきりわからなかった。
濃すぎる化粧にツンと澄ました顔。
いつも張り付いたような微笑を浮かべて
決して誰とも打ち解けようとしない妻。
そんな彼女のことを
オルランド自身どう接していいか分からず
持て余してしまっていた。
オルランドは人付き合いが苦手だ。
こと、女性に関しては特に。
これは過干渉な母親に原因があった。
辛い治療の末に、
やっとの思いで授かった息子を
王太后は溺愛していた。
どこに出しても恥ずかしくない
完全無欠の跡継ぎに育ててみせると
息子の教育に
並々ならぬ情熱を燃やしたのである。
それは教育熱心の範疇を超え、
息子の全てを自分の管理下に置くという
狂気さえ感じるものだった。
王太后のお眼鏡にかなった人物としか
交流は許されず、
やってみたいと思ったことも
王太后の許可がなければ
やらせてもらえなかった。
逆に、
やりたくない、興味がないことも
王太后がやれと言えばやるしかなかった。
王太后は普段はオルランドに甘いが、
自分の意に沿わなかったりしたら
劣化のごとく怒り散らした。



