宗主国の皇女は、属国で幸せを見つける

「あぁ、そういえば。あなたの妃は確か、ドラゴニア帝国の皇女では?今回のことで肩身が狭くなっていないだろうか。」 

「実のところそうですね。我々もドラゴニアの支配から逃れるにあたって、彼女を追放しろと主張する者たちがいるのは事実です。私はそうするつもりはありませんが。」
「ほぉ、それはそれは。王妃殿とは仲睦まじくされているんですね。」
「いえ、実はそういうわけでも。。。王妃とは皇帝の命で強制的に結婚させられたので、私も当初は相当反発心があり、、、最近までろくに会話もありませんでした。ようやく少しずつ打ち解け始めたというか。」
「なるほど。まぁ私から言えるのは、『失ってからでは遅い。』ということかな。自分の腕の中にいるうちに繋ぎ止めておかないと、逃げる時はあっという間だ。経験者が言うのだから間違いない。」
「はは、肝に銘じておきます。」

その後も歓談は和やかに進み、
すっかり夕暮れ時となった。
「もうすっかりこんな時間だ。2人は意気投合できたかな?もしサレハ王女がヴァリニアに嫁ぐなら、我々は歓迎しよう。ドラゴニアが何か言ってくるようなら、私も力になろう。遠慮なく頼ってくれ。」
「それは有り難い。今後ともよろしくお願いします。」
エドリックとオルランドは固い握手を交わした。