宗主国の皇女は、属国で幸せを見つける

一度離縁した女性と再婚するなんて
王族では珍しい。
というか、聞いたことがない。
なんで離婚することになったのだろうか。

そんなオルランドの疑問を察してか、
エドリックが独り言のように経緯を語り始めた。
「私と元妻、すなわちアルドヴァール大公女エレオノールとは政略結婚でね。私は育った環境のせいで女性が苦手だったし、愛情があって結婚したわけでもなかったし。彼女を放ったらかしていたら、3年後に離婚を突きつけられました。法律で認められた権利なので承認したものの、そこからなぜか彼女から目が離せなくなってしまった。極めつけは彼女の公務としての最後のパーティー。いつもは大人しい服装だった彼女がすごく華やかに着飾って現れて。そこでズドーーンですよ。一目惚れというか、彼女の本気にやられてしまいましたね。これは何が何でも取り戻さないとと一生懸命になった結果、ドラゴニアとの戦争に参戦しちゃったというわけです。まぁ簡単に言うと。」
エドリックはさらりと言ってのけるが
普通はそんなことはやりたくてもできない。
大国を率いる王はスケールが違うと
オルランドは少し羨ましくもあった。