「それで私に何の用ですの?」
なこなか本題に入らない令嬢たちに痺れを切らして
フィロメナが問いかける。
「決まってるじゃありませんか。サレハ様のことですわ。」
「サレハ様は今回のご縁談にとても前向きだと国王陛下から伺っておりますが。」
「そんなわけありませんわ!」
「サレハ様はずっと国王陛下を慕っておられたのですもの。王太后陛下も国王陛下とサレハ様の結婚を後押ししておられましたし、私たちもそうでした。なのに!!」
「あなたなんかがやって来たせいで全てが狂ってしまったんですわ。」
「サレハ様の人生をめちゃくちゃにした責任、どう取るおつもりですか?」
「お慕いする方に嫁に行けと言われたサレハ様が不憫でなりません。あなたさえいなければ!」
サレハ王女はよほど
彼女たちから慕われていたのだろうか、
寄って集ってフィロメナを責め立てる。
あまりの圧にフィロメナは思わず後退りしてしまった。
が、それがいけなかった。
王太后のサロンに行くには
階段を登らなければならないのだが
フィロメナたちが立ち話していたのは
ちょうどその階段を登りきったところだったのだ。
フィロメナの高いヒールが階段の段差に引っかかる。
「キャッ。」
踏み外した瞬間、
フィロメナはとっさに手すりを掴もうとするが
残念ながら自分の体重を支えきれなかった。
フィロメナの身体は重力に従い、
そのまま階下に転げ落ちてしまった。
令嬢たちの悲鳴と
誰かが自分を抱え上げる感触を最後に、
フィロメナは意識を手放した。
なこなか本題に入らない令嬢たちに痺れを切らして
フィロメナが問いかける。
「決まってるじゃありませんか。サレハ様のことですわ。」
「サレハ様は今回のご縁談にとても前向きだと国王陛下から伺っておりますが。」
「そんなわけありませんわ!」
「サレハ様はずっと国王陛下を慕っておられたのですもの。王太后陛下も国王陛下とサレハ様の結婚を後押ししておられましたし、私たちもそうでした。なのに!!」
「あなたなんかがやって来たせいで全てが狂ってしまったんですわ。」
「サレハ様の人生をめちゃくちゃにした責任、どう取るおつもりですか?」
「お慕いする方に嫁に行けと言われたサレハ様が不憫でなりません。あなたさえいなければ!」
サレハ王女はよほど
彼女たちから慕われていたのだろうか、
寄って集ってフィロメナを責め立てる。
あまりの圧にフィロメナは思わず後退りしてしまった。
が、それがいけなかった。
王太后のサロンに行くには
階段を登らなければならないのだが
フィロメナたちが立ち話していたのは
ちょうどその階段を登りきったところだったのだ。
フィロメナの高いヒールが階段の段差に引っかかる。
「キャッ。」
踏み外した瞬間、
フィロメナはとっさに手すりを掴もうとするが
残念ながら自分の体重を支えきれなかった。
フィロメナの身体は重力に従い、
そのまま階下に転げ落ちてしまった。
令嬢たちの悲鳴と
誰かが自分を抱え上げる感触を最後に、
フィロメナは意識を手放した。



