王太后が語気を強める。
「パーティーのような公の場で、夫以外の男性と親しげに接するのは慎むべきことです。あらぬ噂を招きます。」
王太后が呼び出したのはこれが言いたかったからだろう。
ヴィットリオとダンスしたことを咎めているのだ。
「申し訳ございません。気をつけます。」
フィロメナは潔く謝罪する。
言い訳したって無駄なのだ。
「王妃様とお相手の方、とってもお似合いでしたわ。まるで本当のカップルみたいで、私もつい魅入ってしまいましたの。」
サレハも話に乗ってくる。
どうにも厭味ったらしく聞こえるのは、
フィロメナの思い込みだろうか。
こんな調子で
フィロメナを遠回しになじるような
王太后の発言に
サレハがひたすら同調する。
そんな苦痛極まりないお茶会は
1時間も続いた。
今までだって
オルランド以外の男性と踊ったことは幾度かある。
(むしろオルランド以外としか踊ったことがない。)
たった一曲、時間にして数分踊ったことが
そんなに問題になることだろうか。
ヴィットリオが年に似合わず若々しく、
女性にモテそうなハンサムな紳士だったから
目立ってしまったのだろう。
(エスメリアは女性だけでなく、男性も顔が整った人が多いのかも。)
延々と繰り返されるお小言に
フィロメナがどっと疲れたのも無理はない。
もうこんな生産性ゼロの
苦痛な時間を過ごすのはゴメンだ。
もう2度と誰とも踊るまいと
フィロメナは固く胸に誓うのだった。
「パーティーのような公の場で、夫以外の男性と親しげに接するのは慎むべきことです。あらぬ噂を招きます。」
王太后が呼び出したのはこれが言いたかったからだろう。
ヴィットリオとダンスしたことを咎めているのだ。
「申し訳ございません。気をつけます。」
フィロメナは潔く謝罪する。
言い訳したって無駄なのだ。
「王妃様とお相手の方、とってもお似合いでしたわ。まるで本当のカップルみたいで、私もつい魅入ってしまいましたの。」
サレハも話に乗ってくる。
どうにも厭味ったらしく聞こえるのは、
フィロメナの思い込みだろうか。
こんな調子で
フィロメナを遠回しになじるような
王太后の発言に
サレハがひたすら同調する。
そんな苦痛極まりないお茶会は
1時間も続いた。
今までだって
オルランド以外の男性と踊ったことは幾度かある。
(むしろオルランド以外としか踊ったことがない。)
たった一曲、時間にして数分踊ったことが
そんなに問題になることだろうか。
ヴィットリオが年に似合わず若々しく、
女性にモテそうなハンサムな紳士だったから
目立ってしまったのだろう。
(エスメリアは女性だけでなく、男性も顔が整った人が多いのかも。)
延々と繰り返されるお小言に
フィロメナがどっと疲れたのも無理はない。
もうこんな生産性ゼロの
苦痛な時間を過ごすのはゴメンだ。
もう2度と誰とも踊るまいと
フィロメナは固く胸に誓うのだった。



