「王妃さま、昨日踊っていらっしゃった方は誰ですか?」
パーティー翌日の朝食の席で
レナートが声をかける。
予定確認以外で話しかけられるのは初めてだ。
「あ、いえ。美しいダンスを踊るカップルがいると聞いて見てみたら王妃さまだったので。お相手の顔がよく見えず、誰かなぁと思ったので。まさかダンス嫌いの陛下ではないでしょうし。」
オルランドのダンス嫌いは有名だ。
そんなこといちいち言わなくていいだろう、
とでも言うようにオルランドが咳払いする。
目線は朝食のプレートに落とされているが
聞き耳は立てているようだ。
「エス、、、私の母の古い知り合いの方です。母の話ができる人がいるなんて思わなかったので、少々話が弾んでしまいました。」
フィロメナは母の祖国の名前をつい言いそうになったが、
すんでのところで踏みとどまった。
自分の秘密がバレてしまう可能性があるからだ。
「そうでしたか。それは良かったですね。」
(エスってなんだろう?)
フィロメナが言い淀んだ言葉が気になりつつも、
レナートはそれ以上を追求しなかった。
しかし、その疑問はほどなくして解けることになる。
パーティー翌日の朝食の席で
レナートが声をかける。
予定確認以外で話しかけられるのは初めてだ。
「あ、いえ。美しいダンスを踊るカップルがいると聞いて見てみたら王妃さまだったので。お相手の顔がよく見えず、誰かなぁと思ったので。まさかダンス嫌いの陛下ではないでしょうし。」
オルランドのダンス嫌いは有名だ。
そんなこといちいち言わなくていいだろう、
とでも言うようにオルランドが咳払いする。
目線は朝食のプレートに落とされているが
聞き耳は立てているようだ。
「エス、、、私の母の古い知り合いの方です。母の話ができる人がいるなんて思わなかったので、少々話が弾んでしまいました。」
フィロメナは母の祖国の名前をつい言いそうになったが、
すんでのところで踏みとどまった。
自分の秘密がバレてしまう可能性があるからだ。
「そうでしたか。それは良かったですね。」
(エスってなんだろう?)
フィロメナが言い淀んだ言葉が気になりつつも、
レナートはそれ以上を追求しなかった。
しかし、その疑問はほどなくして解けることになる。



