宗主国の皇女は、属国で幸せを見つける

「良かった。早速レナートに日程など調整させよう。あ、そうそう。せっかく両思いになれたんだから、呼び方も変えてほしいな。」
オルランドはフィロメナにぐいっと顔を近づけて、
悪戯っぽく笑う。
「・・・オルランド様。」
「そうそう。初めて呼んでくれたね。」 

この日を境に、
オルランドとフィロメナは
プライベートな時間は共に過ごすことになる。
それぞれ独立した執務室は維持しているものの、
居住スペースは一緒だ。
オルランドからの愛を一身に受けて、
フィロメナは生まれ変わったように
堂々とありのままの姿でいられるようになった。
厚化粧をやめて、
ありのままの自分の姿で
貴族たちの前に初めて姿を現したとき、
フィロメナのあまりの美しさに
大きなどよめきが起こったほどだ。
また国王の最愛の妃という立場により、
下心を持って近づいてくる
不敬な男もいなくなった。
生来の美しさに加えて、
夫に愛されているという事実が
フィロメナの輝きをますます強くした。
今では大陸一の美しい王妃と言われるほどだ。