宗主国の皇女は、属国で幸せを見つける

フィロメナは頬を紅潮させて、
離宮の正面玄関を飛び出した。
フィロメナが外に出ると
国民のボルテージは一層上がった。
国民たちの輪の中から
幼い男の子と女の子の2人が
フィロメナの前にやって来た。
「王妃様、少し屈んでくれる?」
男の子のお願い通りに
フィロメナが腰をかがめると
2人はフィロメナの頭に花冠をのせた。

「私たちの女王様。とっても綺麗よ。」
フィロメナは嬉しくて、
2人をギュッと抱きしめる。
「王妃様、どこにも行かないで。」
男の子の言葉に
涙を流しながら何度も頷く。
「えぇ、あなた達が私が良いと言ってくれるなら、私はあなた達の王妃で居続けます。」
「やったーーー!」
女の子の歓声で、
フィロメナがYESと返事したことを悟った
国民たちは歓声をあげた。
気がつくとフィロメナの隣にはオルランドがいて、
フィロメナの腰に優しく手を添えていた。

「国王陛下、万歳!王妃陛下、万歳!」
そんな国民たちの声が
普段は全く静かな離宮に
何度も何度もこだましていた。