平清盛の腕が計の腰に回され、引き寄せられる。一気に距離が近くなり、慌てて計は平清盛の胸板を押したものの、腕から逃れることはできない。

「は、離してください!」

「名前と歳を言ったら離してやろう」

「名前は計です!歳は十四!」

「そうか。十四か」

平清盛がようやく計を離した。計は息を吐きながら彼を睨み付ける。すると、今度は黒髪ロングポニーテールの男性こと源頼朝が近付いてきた。

「計、トウキョウとは何だ?ここは日本なのか?」

源頼朝が顔を近付けてくる。キスでもしてしまいそうな距離に計は慌てて離れた。

「トウキョウは……えっと、二人の時代ではなんて呼ばれてるんだ?江戸……じゃないよな。と、とにかく!ここは日本です!お二人がいる時代よりも未来の日本なんです!」

「何と!」

「未来!?」

平清盛と源頼朝が顔を見合わせる。そして二人はブツブツと何かを話し始めた。

「未来にはこんなにも可愛らしい子がいるのか……」

「手を出すなよ。武士たるもの正々堂々と勝負するべきだ」