性、喰らう夢




 彼が私からの返答を待っているらしかった。私は少し悩んで、稚拙な言葉をどうにか繋ぎ合わせてみる。私の言葉が正しいかどうか、これで私の考えていることが伝わるかどうか、自信はなかった。



「そう言ってくれるのが嬉しい。だからこそ、私の幸せのピークって、今じゃないかなって思うの。だから、余計に死にたいの」



 依央が何も言わない。言葉を失っているのかもしれないけれど、私にはわからない。

 溢れ出る言葉が止まらなかった。



「依央に卒業後の進路の話をされたとき、どうしようもなく訳がわからなくて、パニックになったの。

これから自分がどうなるのかを想像して、何か夢を抱いたとしても、私はそれを実現できるような性質も環境も待ち合わせていないし、この期に及んで努力なんてできるわけがないし、そんな自分が想像つかなくて。

全部、全部意味なんてないの。何をしてもだめだったから、何をしても悪い方向に進んだから。

お金がないの。毎日の食事すらままならない程度の経済力で、大学とか専門学校になんか到底行けるわけがない。

奨学金を借りたとしても、働いてお金を稼いだとしても、そのお金はきっと、今までみたいにお母さんに盗られるってこと、わかってるから、将来に対する期待も希望も、もうどこかにいなくなっちゃった。

だったら今、最高潮に幸せな今、私の生は終わりにして、幸せの中に沈みたいの」