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放課後になって、依央が私の部屋にやってきた。もう何度目かはわからない。いつの間にか、彼がうちで食事をとるのが当たり前になりつつあった。
彼はいつものように、コンビニのご飯を食べている。そろそろコンビニの飯、飽きてきたかも、と彼が笑っているのを見て、なんとなくその感覚に共感することができた。
ふたりでテーブルを囲む。私は目の前に置かれている雑炊をスプーンで掬いながら、なんとなく彼に話しかける。
「今日ね、須藤さんと話したの」
彼が顔を上げた。何かあったのか、と言わんばかりに彼が眉を顰めてみせるので、私は誤解を解くためにあわてて首を横に振った。
「体育、須藤さんも見学してたから、それで」
「……そうか」
彼はそう返事をして、目線を目の前の食事へと戻した。それ以上彼が何も言ってこないところを見ると、私と須藤さんの話の内容にはあまり興味がないのかもしれない。聞きたくないだけなのかもしれないけれど。
私は、それ以上須藤さんの話をするのをやめた。無理に聞かせる必要もないだろうと思ったからだ。
彼女の痛みを身勝手な共感という形で抱え込むのは、私だけで十分だろう。それが彼女にできる贖いでもあるような気もする。
すこしぬるくなった雑炊を口の中に流し込んだ。最近、繊細な味がわかるようになっていた。


