性、喰らう夢




 朝方、目が覚めた。

 結局、依央はまたうちで夜を明かしていた。昨晩、家に帰らなくて大丈夫なの? と尋ねたとき、彼はぶっきらぼうに、別に、と答えただけだった。

 窓の外から差し込む光が、だんだんと明るくなってくる。ぼうっとする意識の中で、隣で横たわっている依央の体温を感じる。

 静かに寝息を立てる依央が愛おしくなってしまって、私は彼の方に身体を寄せた。そのままおとなしくしていると、彼はゆっくりとその目を開いた。



「依央、おはよう」

「……」



 もしかして、寝ぼけてる? と問いかけると、依央はぱちぱちと瞬きを繰り返しながら、ううん、と返事のような唸り声のような、そんな曖昧で多義的な反応をしてみせた。

 そして彼は、片腕を私の背中にまわして、そのまま私を強く抱きしめた。

 寝ぼけているに違いない、と思った。けれど、そんな曖昧な意識の中で私を求めてくれた、という喜びが募る。

 私も、依央が纏っているシャツを握りしめた。すると、彼が私を抱き寄せる手をさらに強くした。

 心臓が高鳴っているのがわかる。それなのに、依央から聞こえてくるその鼓動はいやに落ち着いている。なんだか、負けた気分だ。

 彼に埋もれているせいで、息が苦しかった。けれど別に、不快ではない。

 暖かくて、緩やかな朝だった。こんな目覚めはいつぶりだろうか。