性、喰らう夢




 そのままの状態で、たまに言葉を交わしたり、黙ったりを繰り返しているうちに、彼はうとうととした様子を見せ、いつしかそのまま頭を前側に傾けて寝息を立て始めた。

 私はそこに放置されたままのブランケットをもう一度手に取って、どこにそれをかけるか少し悩んでから、彼の丸まった背中をそっとブランケットで覆った。

 なんとなく、ブランケットの余った側を同じように自分の肩に被せてみる。自然に依央との距離が近くなる。


 この3日間、ほとんど彼と一緒にいたような気がする。ふたりで何かをするということはないけれど、ただだらだらと取り留めのない会話をしたり、あるいは真面目な話をしたりしながら過ごす休日は、わりと短く感じられた。

 結局今日は、私の方から彼を引きとめてしまった。申し訳ない気持ちと、それでもここに居てくれる彼の好意に対して生まれた嬉しさが、複雑に混ざり合う。


 彼の立てる小さな寝息に耳を傾ける。

 夏目先輩と一緒のときみたいな、急激な眠気が襲ってくるということはないのだが、なんだかあたたかい空気感が心地よく感じられてきた。この家でそんな感覚を覚えるだなんて。

 そんな感覚が、依央のおかげでもたらされたものなのか、それとも私自身の変化によるものかのかはわからなかった。

 なんだか疲れてしまったので、私はそっと目を閉じた。