魔法使いユメと小さなドールフレンズ!

 次の日。ユメはぼんやりした目のまま、朝食のテーブルにつきました。
 まだ、人形の国での冒険を忘れることができません。

 お父さんやお母さんは、「とてもすてきな夢だったんだね」と言ってくれました。
 いつもならハッピーな気持ちになるけれど、今日はちがいます。
 大切なものを失ったような、心にぽっかりと穴があいた気分です。

 明後日から新しい学校が始まるのに、ユメの顔色はいまひとつ。

「……行きたくないなぁ」

 朝食が終わると、マリンの待つ部屋へこもって、ドールハウスを見つめます。
 奥の(とびら)をつまんでも開きません。

 下の階から、お父さんの声がしました。ユメの名前をよんでいます。
 引っ越しの整理がまだ途中ですが、おとなりの家にあいさつへ行くらしいのです。

「せっかくだから、ユメも来なさい」

 気は進みませんでしたが、ユメはしぶしぶとついて行きました。