魔法使いユメと小さなドールフレンズ!

「あっ!」

 クルクルと回転しながら、ムーンステッキは天井近くのかざり窓へ引っかかります。
 これでは魔法は使えません。

 アクアリウムケースからフルオパールがすりぬけて、コトン。
 魔法使いのおばあさんの手の中へ。

(このままでは、(ぬす)まれちゃう。どうしたらいいの?)

「キキの宝物、返すのーらー!」
「そうだそうだ! ぼくの記憶を戻せー!」

 キキがねこの耳をピーンと立てます。
 それから、しっぽをギザギザととがらせたシャオ。
 一緒に、おばあさんへいきおいよく飛びつきました。

 顔をかくされて動けなくなったところに、マリンが走ります。

(すごい! 今なら、フルオパールを取り返せるかもしれない)

 けれど、おばあさんの魔法で、すぐにキキとシャオは放り出されてしまいました。

「……もう少しだったのに」

 あと一歩のところで、フルオパールには届きません。
 マリンはかなしそうな声をあげます。

「この宝石は、ワタシのものになるのだ。そして、この人形の世界はワタシのものだ」

 虹色にかがやくフルオパールが、おばあさんの体をつつみこみます。

(やっぱり……私にはムリなんだ。なにもできない。みんなを助けられない)

「コトダマは、未知(みち)なる魔法。……ユメなら、わかってくれるだろう?」