プロジェクトチームのメンバーは、幸いにも気心の知れた社員が大半を占めていた。
 やはりリーダーである筧くんの存在が大きいし、その上頼りになる加山さんもいてくれるので本当に心強い。
 クライアントの担当者と何度か打ち合わせをおこない、綿密なスケジュールも決まって、プロジェクトがいよいよ動き出した。

「知友里さん、顔が固いですよ?」

 必死にパソコン画面を睨みつけていると、加山さんが声をかけてくれた。
 私は苦笑いを返し、デスクに置いていたペットボトルの水に口をつける。

「ありがとう。必死になりすぎちゃった」

 クライアントからはウェブ広告だけでなく、イベントの開催など、一連のプロモーション企画を請け負っている。
 その中で、私と加山さんは短いウェブ広告の制作担当になった。ありがたいことに加山さんの得意分野だ。