あの噂に隠された運命に涙する

『どのくらい好きかというと、あめ玉一個分くらいです』

スポナビさんのメッセージは真実なのだろう。
彼の言い分が正しいことも、理性ではきちんとわきまえている。
しかし、感情で納得できるかはまた、別の話だった。

『ああ……。芽衣様のことを考えると、いつでもタコ様の抱きまくらでぐっすり眠れます。おやすみなさい。すやすや……』
「…………」

スポナビさんは、孤高の魔王である。
それなのに、あたしを溺愛しすぎて、世界を支配したという設定は、本当にどこに行ってしまったんだろう。
分からない。
何も分からない。
でも、あたしは意識を切り替えるように、頭をぶんぶんと横に振る。
そして――思い浮かんだのは、大好きな彼のことばかりだった。

「ねえ、高見橋くん! 高見橋くんは、このゲームをクリアしても、あたしの前からいなくなったりしないよね!」

口にしたら、心がズキンと痛んだ。
この状況で伝えても、困らせるだけかもしれない。
そう懸念していたのに、どうしても後には引けなかった。
思い出すのは中学の入学式。
——それは新しい環境、新しい出会い、新しい物語の始まり。
期待と不安が入り混じる瞬間。
でも、あたしは小さい頃から身体が弱くて、よく倒れていた。
だから、新しい中学校生活に不安を抱いていたんだ。
その日も、体調を崩して、体育館で倒れたんだ。
ちょうど、校長先生の話が終わった後だったから、周りは騒然となった。