あの噂に隠された運命に涙する

『もちろん、転移者の郁斗様と従者のジュラルミン星人様も参加できません』

予想はしていたけれど、改めて言われると、その事実が重くのしかかる。

「……そうなんだ。それだと、争奪戦のクリア、かなり難しいと思う」
『ええっ!? 何故ですか?』

あたしが言い足すと、スポナビさんは面喰ったようにメッセージを大きくさせた。

「だって、胸キュンできそうもないから」
『ガーン!!』

本音を返すと、スポナビさんはようやく、そのことを認めたようだった。

『そ、そうですか……。このままではイベント失敗となり、エンディングに向けたルート選択はないかと……』

すべてを諦めたようなメッセージが心苦しい。
このままじゃいけないという確信はあるのに、具体的に何をすればいいのか、全く分からなかった。

『しかし、わたくしの渾身の告白は、芽衣様の心に響かなかったのですね……』

スポナビさんの悲痛なメッセージに、あたしは思わず、たじたじになってしまう。

『芽衣様を、こんなに好きにならなければ良かった。芽衣様が笑うと嬉しいし、芽衣様が泣くと、いても立ってもいられない。どうしようもなく、芽衣様が好き。好きなんです』
「……スポナビさん」

スポナビさんの心情がひしひしと伝わってきて、胸が苦しくなる。