『たった一瞬、芽衣様の姿が見えただけで、胸キュンキュン、アイラブユー!』
…………。
『あっ、キュンキュンといえば、肉食恐竜ティラノサウルス様はいつも、わたくしに対して、ツンツンされておりましたよ。今、思い出しても腹立たしいです! おのれ、ティラノサウルス様! やられたら、やり返す。それがわたくし流です。だからこそ、わたくしはティラノサウルス様に決闘を申し込んで――』
その告白は、初めから終わりが見えている恋だった。
現状では、これ以上の進展を見られそうになかったので、高見橋くんと一緒に洗面所に向かう。
『あっ、芽衣様、待ってください! まだ、終わりではないですよ! この後、わたくしとティラノサウルス様の壮絶な戦いが幕を――』
朝の支度をすませると、席について朝ごはんを食べる。
今日も、あたしの隣の席には、大好きな高見橋くんがいる。
まさに双子の姉妹の特権だ。
「いただきます!」
これまでのあたしたちのエピソードを紐解くにあたって、ごはんというものの彩りは欠かせない。
幾度となく重ねてきた家族の営みに、ごはんはそっと寄り添う。
温かなひとときにしてくれる、名演出家である。
これ以上の至福の時間はないと思う。
だって、幽霊状態だと、ごはん、食べられないし。
…………。
『あっ、キュンキュンといえば、肉食恐竜ティラノサウルス様はいつも、わたくしに対して、ツンツンされておりましたよ。今、思い出しても腹立たしいです! おのれ、ティラノサウルス様! やられたら、やり返す。それがわたくし流です。だからこそ、わたくしはティラノサウルス様に決闘を申し込んで――』
その告白は、初めから終わりが見えている恋だった。
現状では、これ以上の進展を見られそうになかったので、高見橋くんと一緒に洗面所に向かう。
『あっ、芽衣様、待ってください! まだ、終わりではないですよ! この後、わたくしとティラノサウルス様の壮絶な戦いが幕を――』
朝の支度をすませると、席について朝ごはんを食べる。
今日も、あたしの隣の席には、大好きな高見橋くんがいる。
まさに双子の姉妹の特権だ。
「いただきます!」
これまでのあたしたちのエピソードを紐解くにあたって、ごはんというものの彩りは欠かせない。
幾度となく重ねてきた家族の営みに、ごはんはそっと寄り添う。
温かなひとときにしてくれる、名演出家である。
これ以上の至福の時間はないと思う。
だって、幽霊状態だと、ごはん、食べられないし。



